あなたが乗り換えるべき格安スマホの選び方
ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリアから格安SIMに乗り換えて、スマホ料金を節約したいという人も多いと思います。
しかし、格安SIMを提供するMVNOは600社以上もあるので、どれを選べば良いのかが最大の悩みどころです。
現在のキャリアやスマホの機種、音声通話やデータ通信の使用状況によって、最適な格安SIMは異なるので、一概にこれを選べば良いとは断言できません。
そこで以下では、格安SIM・スマホを選ぶ際に押さえておくべき7つの視点について紹介していきます。
1. スマホを持ち込むか、新たに購入するか
まず最初に考えるべきなのは、スマホを持ち込んで格安SIMに乗り換えるか、それとも新たにスマホを購入するのかということをです。
スマホ持ち込みのメリット・デメリット
スマホを持ち込むのであれば、SIMカードを変えるだけで乗り換えが可能です。端末代がかからないので、乗り換え時の出費が数万円になってしまうことを避けられます。
ただし、機種によっては、利用できる格安SIMが限られたり、SIMロックの解除が必要になることがあります。自分のスマホの機種が使えるかや、SIMロック解除が必要かどうかは、動作確認端末一覧などでしっかり確認しなければいけません。
また、スマホは古い機種になると、OSのアップデートができずに、アプリが使えなくなったりすることもあるので、4年も5年も使い続けられるものではありません。
そのため、とにかく出費を抑えたいならスマホ持ち込みで乗り換えるのも良いですが、格安SIMでトラブルを極力避けたいなら、スマホをセットで買ってしまうことをおすすめします。
格安SIMでスマホのセット購入がおすすめな理由
格安SIMでスマホをセット購入するなら、機種が使えるかどうかや、SIMロックの解除など気にする必要はありません。セット購入したスマホなら間違いなく使えますし、SIMロックの解除も不要です。
格安SIMでスマホをセット購入する場合、分割払いにすれば、一時的に出費がかさむことを防げます。さらに、UQモバイルのように2年契約を条件として、端末代割引を利用できる格安SIMあります。
参考>> スマホを実質100円で買えるUQモバイルのマンスリー割
とにかく出費を抑えたいなら、自分のスマホをそのまま使えて料金の安い格安SIMを、スマホを購入するなら、UQモバイルのような端末代割引がある格安SIMを選ぶと良いでしょう。
2. データ容量はどのぐらい必要か
格安SIMに乗り換えて料金がどのくらい安くなるのかはプランによります。プラン選びで重要なのが、どのくらいのデータ容量が必要なのかということ。
自分のデータ使用量を確認する一番確実な方法は、大手キャリアの料金明細を確認することです。
一般的なデータ容量は3GB〜5GB
一般的には、月間3GB〜5GBのデータ通信を使っている人が多いとされています。データ通信を全然使わないわけでもなく、ものすごく使うわけでもない場合は、月間3GB〜5GB程度のプランを選ぶと良いでしょう。
また、データ通信をほとんど使わない人であれば、月間1GBといった小容量のプランもあります。LINEモバイルやDMMモバイルなら、1GBプランの音声通話SIMが月額1,200円程度なので、スマホ料金をかなり節約することが可能です。
大容量プランは格安SIMには向いていない
なお、月間20GB・30GBといった大容量のデータ通信を使いたい場合、格安SIMはあまり向いていません。大容量プランは大手キャリアも比較的リーズナブルな料金設定をしているため、格安SIMの大容量プランに変えるだけでは、それほど節約効果は見込めません。
しかし、格安SIMには通信速度をあえて抑えることで、大容量のデータ通信を可能にしているプランもあります。
たとえば、UQモバイルの「データ無制限+音声プラン」は、最大500kbpsというそこまで遅くないデータ通信が月間容量の上限なく使えるプランとなっていて、月額料金は2,680円です。大容量のデータ通信を使いつつ、料金を下げたい場合はこのようなプランも検討すると良いでしょう。
参考>> 最大500kbpsが使い放題のUQモバイルのデータ無制限プラン
特定のアプリをよく使うならカウントフリー機能も有効
格安SIMには、特定のアプリによるデータ消費をカウントしないという「カウントフリー機能」を備えたものもあります。
たとえば、LINEモバイルではLINE・Twitter・Facebook・Instagramのデータ消費をカウントしない「SNSフリー機能」を標準搭載しています。
また、BIGLOBEモバイルでは、YouTubeやAbemaTVなどの動画・音楽サービスのデータ消費をカウントしない「エンタメフリーオプション」を月々480円のオプションサービスとして提供しています。
データ通信をよく使うアプリに偏りがある場合は、このようなカウントフリー機能で格安SIMを選ぶのも有効です。
3. 電話かけ放題は使えるのか
音声通話をよく使う人なら、格安SIMで電話かけ放題が使えるかどうかが気になるところです。
5分かけ放題や10分かけ放題が主流
格安SIMでは、5分または10分以内の通話が何度かけても無料の「5分かけ放題」「10分かけ放題」が一般的。月々850円程度のオプションサービスとして、かけ放題を付けられます。
5分程度の短い通話を頻繁にかける人なら、5分かけ放題や10分かけ放題を利用することで通話代を節約できるでしょう。
また、数は少ないですが時間制限のないかけ放題が使える格安SIMもあります。楽天モバイルでは、オプション利用料が月々2,380円と料金は高いですが、時間の制限がない完全かけ放題も利用可能です。10分以上の電話を頻繁にかける人にはおすすめです。
参考>> 楽天モバイルでは完全かけ放題も利用できる
プレフィックス方式の通話アプリの注意点
なお、5分かけ放題や10分かけ放題は、専用の通話アプリから発信することで、かけ放題を利用できるというプレフィックス方式のサービスがほとんどです。
参考>> どの格安SIMでも使えるプレフィックス方式の5分かけ放題サービス「G-Call」
そのため、不在着信に折り返す際に、電話番号を通話アプリにコピー&ペーストする必要があるなど、操作が若干不便である点には注意が必要です。
ちなみに、専用アプリを使わずに、通常の電話アプリから5分かけ放題や10分かけ放題を利用できる格安SIMには、UQモバイルやワイモバイルなどがあります。
参考>> ワイモバイルの「スマホプラン」は10分かけ放題付き
4. 家族でお得に使いたい
家族で格安SIMに乗り換えて、通信費を節約したいたいと考えている人もいるかもしれません。
格安SIMを家族でお得に使う方法としては、「データシェア」と「家族割引」があります。
データシェアのメリット・デメリット
データシェアは、プランのデータ容量を家族で分け合うというもので、BIGLOBEモバイルやDMMモバイルなどで利用できます。
データシェアのメリットは、契約や支払いをひとつにまとめられること。大容量のデータを家族全員で分け合えば、1人当たりのスマホ料金を月々2,000円以下にすることも可能です。
ただし、データシェアには家族の1人がデータ通信を使い過ぎてしまうと、全員が速度制限を受けてしまうというデメリットもあります。
また、データシェアでは契約者を1人にまとめなければいけないので、現在キャリアで家族が別々に契約している場合は、名義変更してから乗り換える必要があり、少々手間がかかります。
家族割引なら家族が別々に契約していてもお得
一方、家族割引では家族がそれぞれ別々のプランを契約して、料金が割引されるので、1人がデータ通信を使い過ぎてしまっても、全員が速度制限を受けるといったことはありません。
また、契約者を1人にまとめる必要もないので、現在のキャリアでの契約がバラバラでも乗り換えをスムーズに行うことが可能です。
UQモバイルやワイモバイルの家族割引では、2回線目以降が毎月500円引きとなり、家族4人で乗り換えるケースでは、月々1,500円も安く利用することができます。
参考>> UQモバイルの家族割引は毎月500円引き
5. 格安SIMのデメリットや注意点を確認する
どのような格安SIMに乗り換えるか方針が決まったところで、格安SIMのデメリットや注意点を改めて確認しておいたほうが良いでしょう。
ほとんどの格安SIMはMNP(携帯番号ポータビリティ)に対応しているため、大手キャリアから電話番号を引き継いで乗り換えることが可能です。
しかし、「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」などのキャリアのメールアドレスは引き継ぐことができません。キャリアメールを使っていない人であれば問題は無いですが、これが格安SIMの一番のデメリットです。
また、通信速度が遅くなる場合があることも格安SIMで注意すべき点のひとつ。料金が安くなっても、速度が遅くて使い物にならないのでは困ります。通信速度の口コミなどもよくチェックしておくことをおすすめします。
参考>> 格安SIMのデメリットと注意点
6. 格安SIMにいつ乗り換えるべきか
格安SIMへの乗り換えには所定の費用が発生します。大手キャリアの違約金などもあるため、いつ乗り換えたら良いのか疑問を持っている人も多いかもしれません。
以下では、MNPで乗り換える場合の一般的な費用について解説します。
キャリアで違約金がかかると、乗り換え費用は15,000円程度
まず、移行元のキャリアに支払うMNP転出手数料として、ドコモは2,000円、au・ソフトバンクは3,000円が発生します。
また、格安SIMの契約事務手数料として3,000円がかかります。LINEモバイルなどの場合、400円程度のSIM発行手数料も必要です。
さらに、大手キャリアを2年契約で利用していて、更新月以外の解約の場合、違約金9,500円も発生します。
これをすべて合わせると15,000円程度の出費になります。そのため、乗り換えの費用を極力抑えたいなら、違約金の発生しない更新月の乗り換えがベストです。
参考>> 格安SIMへの乗り換え費用を解説
本当に更新月まで待ったほうが良いのか。料金シミュレーション
しかし、たとえば更新月まで1年以上ある場合に、格安SIMへの乗り換えを更新月まで待ったほうが良いのかというと、そういうわけでもありません。
格安SIMにすれば、毎月4,000円〜5,000円の削減が可能なので、違約金を払ったとしても、すぐに元を取ることができます。
大手キャリアで毎月7,000円支払っていて、格安SIMにすると3,000円になる。更新月まで1年間、というケースで、大手キャリアを使い続ける場合と格安SIMに乗り換える場合の累計出費額をシミュレーションしてみます。
格安SIMでは初月無料となることも多いため、1ヶ月目の出費は、乗り換え費用15,000円としています。
以降、毎月3,000円を加算していき、最初のうちは格安SIMのほうが出費が上回っていますが、4ヶ月目で累計出費額が逆転しているのが分かります。そして、1年間で見ると、格安SIMのほうがトータルで4万円も安くなります。
グラフで確認しましたが、実は計算は簡単で、月々の差額が4,000円もあるので、4,000円×4ヶ月=16,000円となり、乗り換え費用15,000円を上回るというわけです。どのくらいの期間で乗り換え費用の元が取れるのかは、差額で割ればすぐに計算ができます。
また、MNP転出手数料と契約事務手数料は、格安SIMに乗り換えるなら必ずかかる費用なので、実際には違約金を何ヶ月で取り戻せるかで、いつ乗り換えるべきかを考えるべきです。
すると、大手キャリアと格安SIMの差額が4,000円というケースでは、更新月まで2ヶ月なら更新月を待ったほうが良いですが、更新月まで3ヶ月以上あるなら、なるべく早めに乗り換えたほうが良いことになります。
7. 乗り換えにお得なキャンペーンはあるか
格安SIMでは、キャッシュバックや契約事務手数料無料などのキャンペーンが時々実施されています。
キャッシュバックがもらえれば、乗り換え費用もすぐに取り戻すことができます。
目当ての格安SIMでキャンペーンが実施されていたら、機会を逃すことなくお得に乗り換えて、月々のスマホを料金を大幅にカットしてください。