ドコモから格安SIMに乗り換えるつもりで、UQモバイルが気になっている人も多いと思います。
ただし、UQモバイルはau回線に対応する格安SIM。ドコモ回線に対応する多くの格安SIMと比べると不利な面もあります。
具体的には、ドコモ回線対応の格安SIMなら、現在使っているドコモのスマホをSIMロック解除不要で持ち込めますが、UQモバイルではそうしたことができません。
しかし、それでもドコモからUQモバイルに乗り換えるのが良いという3つの理由を解説していきます。
また、ドコモの格安プランである「docomo with」とUQモバイルの比較も行ってみます。
格安SIMへの乗り換えで後悔することがないように、最後まで読んで参考にしてください。
ドコモからUQモバイルに乗り換えるべき3つの理由
ドコモから格安SIMに乗り換える際に、UQモバイルがおすすめできる理由は次の3つです。
・UQモバイルは通信速度が安定して速い
・ドコモのスマホも一部機種なら持ち込める
・端末代割引でスマホも安く買える
以下で詳しく説明していきます。
UQモバイルは通信速度が安定して速い
UQモバイルの魅力のひとつは通信速度の速さです。
ドコモ回線に対応する格安SIM (ドコモ系格安SIM)は通信速度が安定していません。
ドコモ系格安SIMでは、サービス開始当初や設備増強の直後などは一時的に速度が速くなるものの、加入者が増えると速度が低下しだすということを繰り返しています。
対して、UQモバイルは速度が安定して速いことが特徴です。「RBB TODAY 格安SIMアワード」の通信速度部門で3年連続で1位になるなど、その速度の速さは折り紙つきです。
はっきり言って、格安SIMの通信速度ではワイモバイル(Y!mobile)とUQモバイルが二強です。
ワイモバイルとUQモバイルは、それぞれソフトバンクとauのサブブランドという位置づけ。大手キャリアのサブブランドとその他の格安SIMには、通信速度の面で越えられない壁があります。
格安SIMに乗り換えて月額料金を安くしつつ、通信速度にも妥協したくないなら、UQモバイルを選んで間違いありません。
ドコモのスマホも一部機種なら持ち込める
通信速度だけを重視していて、次に説明する「スマホが安く買えること」が魅力的に感じないなら、現在使っているドコモのスマホをUQモバイルに持ち込むのが良いでしょう。
UQモバイルで使えるドコモ機種
SIMロックの解除が必要になりますが、ドコモのスマホの一部機種はUQモバイルでも利用可能です。
たとえば、iPhoneなら6s以降の機種であれば、SIMロックを解除してUQモバイルで使うことができます。
ドコモ版iPhone機種 | 利用可否 | SIMロック解除 | SIM種別 | 発売時期 |
---|---|---|---|---|
iPhone 6s / 6s Plus | ○ | 要 | マルチSIM(nano) | 2015年9月 |
iPhone SE | ○ | 要 | マルチSIM(nano) | 2016年3月 |
iPhone 7 / 7 Plus | ○(テザリング不可) | 要 | マルチSIM(nano) | 2016年9月 |
iPhone 8 / 8 Plus | ○(テザリング不可) | 要 | マルチSIM(nano) | 2017年9月 |
iPhone X | ○(テザリング不可) | 要 | マルチSIM(nano) | 2017年11月 |
なお、iPhone 7以降ではテザリングが使えないことに注意が必要です。
また、AndroidスマホのXperiaなら、以下の6機種が動作確認済みです。いずれもSIMロックの解除が必要です。
ドコモ版Xperia機種 | 利用可否 | SIMロック解除 | LTE バンド18/26 (800MHz帯) | SIM種別 | 発売時期 |
---|---|---|---|---|---|
Xperia Z4 SO-03G | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2015年6月 |
Xperia A4 SO-04G | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2015年6月 |
Xperia Z5 SO-01H | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2015年9月 |
Xperia Z5 Compact SO-02H | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2015年9月 |
Xperia Z5 Premium SO-03H | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2015年9月 |
Xperia X Performance SO-04H | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2016年6月 |
Xperia XZ SO-01J | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2016年10月 |
Xperia X Compact SO-02J | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2016年10月 |
Xperia XZs SO-03J | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2017年5月 |
Xperia XZ Premium SO-04J | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2017年5月 |
Xperia XZ1 SO-01K | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2017年10月 |
Xperia XZ1 Compact SO-02K | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2017年10月 |
Xperia XZ2 SO-03K | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2018年5月 |
Xperia XZ2 Compact SO-05K | ○ | 要 | × | マルチSIM(nano) | 2018年5月 |
ただし、ドコモのAndroidスマホは、auのプラチナバンドLTE(800MHz帯)に対応していません。そのため、場所によっては電波をつかみにくくなる可能性があり、持ち込みはあまりおすすめできません。
参考>> UQモバイルの対応機種の解説。動作確認端末でも要注意
スマホ持ち込みに最適なプラン
スマホを持ち込む場合、UQモバイルではSIMカードだけを契約すればいいので、「データ高速+音声プラン」が最適です。
データ高速+音声プランは、月間3GBのデータ容量が使えて、月額料金は1,680円。ドコモのような2年縛りがなく、最低利用期間の1年が経過すれば、その後はいつ解約しても違約金は発生しません。
参考>> UQモバイルの縛りなしプランの詳細解説
月間3GBで月額1,680円というのは、格安SIMの中でも平均的な料金。同じような料金なら、速度が安定して速いUQモバイルを選んだほうが良いです。
ただし、月間3GBという選択肢しかないのがデータ高速+音声プランのデメリットと言えます。とにかく料金の安いプランを選びたい人、大容量のデータ通信を使いたい人には、あまり向いていません。
スマホ持ち込みのメリット
ドコモのスマホのSIMロック解除は、Webサイトの「My docomo」またはドコモショップ、電話で手続きが可能です。
Webサイトでの手続きなら、SIMロック解除手数料は無料(ドコモショップと電話は3,000円)。手間はかかりますが、金銭的なコストはありません。
現在使っているスマホを持ち込むなら、新たな端末代はかからないので、一番コストを抑えてUQモバイルに乗り換えることができます。
端末代割引でスマホが安く買える
UQモバイルのもう一つの魅力が、端末代割引の「マンスリー割」によって、スマホを安く購入できることです。
マンスリー割は、ドコモの「月々サポート」と同じような端末代割引。2年間にわたって毎月一定額が料金から割引されるので、実際に支払う端末代(実質負担額)を下げられます。
マンスリー割はおしゃべりプラン・ぴったりプラン限定
なお、マンスリー割が利用できるのは、通話代込みのプランである「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」限定。データ高速+音声プランなどは対象外です。
おしゃべりプランは5分かけ放題、ぴったりプランは無料通話が付いたプラン。1年目の月額料金が1,000円安く、2年契約(2年縛り)となっていることが特徴です。
プランS | プランM | プランL | ||
---|---|---|---|---|
データ容量 | 3GB | 9GB | 21GB | |
月額料金 | 1年目 | 1,980円 | 2,980円 | 4,980円 |
2年目以降 | 2,980円 | 3,980円 | 5,980円 | |
おしゃべりプラン | 国内通話 5分かけ放題 | |||
ぴったりプラン | 無料通話 60分 | 無料通話 120分 | 無料通話 180分 |
たとえば、標準的なデータ容量(3GB)のおしゃべりプランMなら、1年目が2,980円、2年目以降が3,980円。この料金で5分かけ放題が付いています。
マンスリー割で実質100円の機種も
具体的にマンスリー割で、どのくらい安くスマホが買えるかというと、実質負担額が100円になる機種が複数あります。
シャープの「AQUOS sense」も実質100円の機種のひとつ。
本体価格の分割支払金が月々1,200円、マンスリー割が−1,200円なので、月々に負担する端末代は0円。初回に加算される100円のみで購入できます。
参考>> AQUOS senseなど、UQモバイルのおすすめ機種
また、iPhone 6sは分割支払金が2,300円、マンスリー割が−1,800円で、月々の負担額が500円。こちらは実質12,100円〜で購入可能です(プランM以上、32GBモデルの場合)。
参考>> UQモバイル版iPhone 6sの実質負担額と月額料金
機種変更も割安にできる
2年契約と引き換えに端末代割引があるのはドコモと同じですが、それでいて月額料金が安いのがUQモバイルの特徴です。
実質100円の機種なら月々の端末代は0円なので、プランの月額料金だけで使えます。
またUQモバイルでは、機種変更でもマンスリー割を利用して、実質100円の機種を購入することが可能。
機種変更手数料3,000円が別途かかるものの、合計3,100円で割安に機種変更ができるので、乗り換えた後でUQモバイルを長く使いたいという人も安心できます。
ドコモの格安プラン「docomo with」は安くない
ドコモでは「docomo with」という従来よりも安いプランをスタートしています。「UQモバイルとdocomo withのどちらがお得なのか?」と気になっている人もいるかもしれません。
docomo withは、端末代割引の月々サポートが無い代わりに、月額料金から毎月1,500円を割引するというプラン(対象機種のみ)。端末代を支払い終わった後も割引が行われるので、スマホを長く使う場合にメリットがあります。
しかし、docomo withはそれほど安くありません。docomo withの対象機種のひとつであるシャープの「AQUOS sense」は、前述の通りUQモバイルでも販売されているので、端末代を含めた月額料金を比較してみます。
参考>> UQモバイル版「AQUOS sense」の特徴を解説
まず、ドコモで5分かけ放題の「カケホーダイライト」と月間2GBの「データSパック」を利用する場合、月額料金は5,500円。AQUOS senseの分割支払金が月々1,175円、docomo withの割引が−1,500円なので、合計月額料金は5,175円になります。
参考>> ドコモの段階制プラン「ベーシックパック」の落とし穴を解説
ドコモ版 AQUOS sense | 月額料金 |
---|---|
カケホーダイライト (5分かけ放題) | 1,700円 |
データSパック (2GB) | 3,500円 |
spモード | 300円 |
(小計) | 5,500円 |
AQUOS sense 分割支払金 | 1,175円 |
docomo with | −1,500円 |
合計 | 5,175円 (3年目以降 4,000円) |
一方、UQモバイルでは、5分かけ放題の「おしゃべりプランM」(3GB)でAQUOS senseを購入すると、実質負担額は100円。月々の端末代は0円なので、月額料金は2,980円(2年目以降は3,980円)だけです。
UQ版 AQUOS sense | 月額料金 |
---|---|
おしゃべりプランM (5分かけ放題 +データ3GB) | 2,980円 (2年目以降 3,980円) |
AQUOS sense 分割支払金 | 1,200円 |
マンスリー割(2年間) | −1,200円 |
合計 | 2,980円 (2年目以降 3,980円) |
なお、ドコモの3年目以降は端末代がなくなり、月額4,000円となるので、UQモバイルとの差額は縮まります。ただし、これはあくまで端末を使い続ける場合だけ。機種変更をすれば、新たな端末代が上乗せされてしまいます。
前述の通り、UQモバイルなら機種変更も割安にできるので、ドコモと同じような料金でも、2年後には新しいスマホに変えられるというのが大きなメリットです。
このように、docomo withは月間2GBのプランでも端末代込みで5,000円以上となるので安くありません。月々の料金を安くしたいなら、docomo withにしようかと悩むことなく、UQモバイルに乗り換えるべきです。
UQモバイルに乗り換えるデメリットと注意点
ドコモからUQモバイルへ乗り換えることで生じる一番のデメリットは、「@docomo.ne.jp」というドコモメールのアドレスが使えなくなることです。
もちろん、UQモバイルに乗り換えてもLINEやGmailは使えるので、ドコモメールの代わりに使えばOK。すでにドコモメールをほとんど使ってない人なら、それほどデメリットではないでしょう。
なお、「dTV」「dマガジン」などのドコモのサービスはキャリアフリー化しているので、UQモバイルに乗り換えた後も使い続けることができます。
ただし、解約した後もドコモのサービスを使い続けるには「dアカウント」の発行が必要。dアカウントを持たずに解約した場合、ポイントプログラムの「dポイント」なども失効してしまうので注意してください。
まとめ
UQモバイルは、通信速度が速く、スマホが安く買えることが魅力です。
au回線対応の格安SIMなので、ドコモのスマホがそのまま使えるとは限りませんが、スマホを実質100円で購入できるので、たとえ現在の機種が使えなくても心配はいりません。
また、iPhone 6s以降などの一部の機種であれば、ドコモでSIMロックを解除して持ち込むことも可能。スマホを持ち込むなら、2年縛りの無いデータ高速+音声プランで利用できます。
ドコモでは、格安プランのdocomo withを選んだとしても、端末代込みの月額料金は5,000円以上になってしまいます。一方、UQモバイルなら、標準的なプランで端末代込み月額2,980円〜に抑えられます。
通信速度にこだわりつつ、月額料金を安くして、スマホも新しく購入したいなら、迷わずドコモからUQモバイルに乗り換えるべきです。
コメント